女性初のプロ審判員、山下良美さんのメンタル面が気になった
9月18日、JリーグのFC東京-京都サンガ戦で、山下良美審判員が主審として笛を吹いた。J1史上初の女性主審だった。
山下さんの名前は、今年に入りメディアを通じて何度も聞いている。というのも、“史上初”の出来事が続けて起こったからだ。
4月のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の予選リーグで、大会史上初となる女性主審を務めた。翌5月には11月に開幕するFIFAワールドカップ・カタール大会の審判員(主審候補)に、こちらも大会史上初の女性審判員として選ばれた。そして7月に日本の女性審判員として初めてプロフェッショナル契約を結ぶと、同月にJ2リーグ初の主審としてピッチに。今月のJ1初主審へと続いた。
ニュースのたびに名前を聞いたので、そりゃ覚えてしまう。まさに“時の人”。最近はメディア露出が増え、トークショーで話すなど、ピッチ外でもとにかく忙しそう。
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女性審判員のパイオニア的存在として期待される一方、相当なプレッシャーを感じているはずだ。そのレフェリー活動は、私生活も含めてこれまで以上に多くの人の目を感じざるを得ないのだから。
ジェンダー平等が広く叫ばれる時代となり、いまの社会は男性も女性も互いの接し方に試行錯誤している感じ。女性初のプロフェッショナルレフェリーの在り方や振る舞い方など、山下さん自身も試行錯誤している最中だろう。
しかし、スポーツ紙の取材に対し山下さんは、「(プレッシャーは)背負いたいと思っている。そういう立場だと自覚しているので、その責任を果たせるように日々努力しなければならない」と語っていた。
強い…なんとも頼もしいコメントだ。でも、逆に山下さんのメンタル面が少しだけ心配になってしまった。個人的には、そんなに背負いすぎず、楽しみながら高みを目指してほしいー。
昨季限りでプロフェッショナルレフェリーを勇退した家本政明さんは、レフェリー人生の中で何度も、精神的に追いつめられるほどのバッシングを受けたとを明かしている。
いま、山下さんがそういう状況になったとき、悩みや辛さを分かち合える、また打ち明けられる女性のプロフェッショナルレフェリーは他にいない。そこが少し気になった。やっぱり、同じ立場で働く同姓の仲間がいるほうが、精神的な負担も多少なり違うだろう。
だから、山下さんの「紅一点」の状況があまり長く続かないよう、山下さんに続く女性プロフェッショナルレフェリーがもっともっと増えればいいと思った。
それまでの間は、山下さん、頑張って。 ワールドカップでの勇姿を楽しみにしています!