現役を長く続けてくれているレジェンドに感謝
イニエスタのヴィッセル神戸退団がカウントダウンに入っている。
過去にブログで伝えたが、まだイニエスタのプレーをこの目で見たことがない。2018年夏に神戸に来て以来、試合を見る機会は何度もあったのだが。ズルズルと今日が来てしまったという感じだ。
出場時間が減りだした昨年ごろから、スタジアムに行けば必ず見られるという確実性はなくなった。「絶対に出る!」と確信して足を運び、肩すかしをくらった埼スタでのACL観戦の話は以前に伝えたとおりだ。
と言いつつも、何が何でもいう気持ちがあるわけでもなかった。6月6日に国立競技場で行われたFCバルセロナとのフレンドリーマッチは行っていない。
もちろん検討はした。でも、ガチの公式戦ではなく、親善試合ということで個人的に盛り上がらなかったのと、チケット代が割高で最安で8000円!高いのは40000円超!! 国立は陸上トラックがあるからピッチと客席が遠く、安い席だとよく見えないですし…。
ということで、バルセロナ戦はテレビで観戦。それでも、当日のイニエスタパフォーマンスはすごかったなー。家族のような古巣が相手。仕上げてきてましたね。見ました? 録画しといてよかった。
で、イニエスタのラストマッチは7月1日のホームでのコンサドーレ札幌戦だという。後半残り数分の出場か。もっとあるか。神戸まで足を運ぶ予定はなく、私の「生イニエスタ」観戦はかなわないまま終わりそうだ…。
でも、まだ「終わりそうだ…」なのである。
イニエスタは現役を引退するわけではない。次の機会が訪れる可能性は、一応ある。
そう言いたいのにはわけがある。バルサ戦の翌日の出来事がきっかけだ。
◇
6月7日、味の素フィールド西が丘で行われた天皇杯サッカー2回戦、東京ヴェルディ対ザスパクサツ群馬の試合を観戦した。
そっちは行くんかい!って話だが、ここ数年、西が丘での天皇杯観戦は恒例行事なのである。
みなさんご存知の通り、西が丘はピッチと客席がとにかく近い(収容人数7258人)。私の大好きなサッカー専用スタジアムだ。
小さなスタジアムなのに、毎年天皇杯の試合が組まれ、Jクラブが来る! チケット代も安い!! 過去にはガンバ大阪やFC東京の試合を観戦した。いずれも大学生に敗れるというジャイアント・キリングで盛り上がった。
今回はJ2同士の対決だが、J1の試合をピッチと客席が遠いスタジアムで見るよりも、西が丘は数10倍楽しめるのである。
◇
当日は、両クラブともにリーグ戦で出場機会の少ないメンバーがスタメン。リーグ戦の合間に組まれた水曜の試合なので予想はしていた。きっと初めて知る選手も多いだろう、とも思っていた。
そんな中、メンバー発表がアナウンスされ、「お!」となった。
元日本代表の細貝萌(はじめ)が群馬の主将として、ボランチでスタメンだったのである!!
いまの若いサッカーファンはあまりピンとこないかもしれないが、われわれ世代にとっては、見られたらうれしい選手だ。
細貝といえば、2014年W杯本大会の最終メンバーからは外れたものの、ザッケローニ体制時代は代表に呼ばれ続けた。唯一の代表ゴールは記憶に残るあの1点。「AFCアジアカップ2011」準決勝韓国戦の延長前半に本田圭佑のPKのこぼれ球を詰めた、あのゴールだ! サッカーバカなら誰もが覚えているだろう。(あの大会は激アツでしたよねー)
また、ドイツの名門クラブを渡り歩き、どのクラブでも定位置をつかんだ実力の持ち主。個人的にはそこに強いリスペクトがある。だって、あのレバークーゼンでスタメンを張っていたのだから、すげーよ。
細貝のプレーを生観戦したことがなかった私は、ふいに訪れた好機にじわりとテンションが上がった。今日はツイてるな~、という感じだ。
スマホで近況を調べると、今季のリーグ戦は、開幕から序盤はスタメン出場だったが、最近はその機会が減っていた。故障があったのかなどの事情はわからない。年齢は36歳になっていた。(*)
◇
試合が始まると、細貝の真骨頂であるアグレッシブな守備が光った。相手マークへの素早い寄せ、寄せるときの当たりの強さ。背負った相手選手が前を向くのは困難で、ドイツでやれてたことを十分に証明した。
ゲームメイクが得意なタイプではないが、プレー全体にそつがなく、安定感があった。ときに声を荒らげて仲間を鼓舞するキャプテンシーも印象的で、プレーも顔も、とにかくカッコよかったなあ。
細貝は後半途中で交代し、チームは1-2で敗れた。それでも、彼のプレーをこの目で見られ、私は大満足だった。
そして、思った。これも長く現役を続けてくれたからこそ。だから今日という日が訪れた。
細貝、ありがとうー!
とういことで、こんな出来事もあり、イニエスタを見られる機会だってこの先また訪れるかもしれない、なんて思ったわけである。現役を引退しないかぎり可能性は残ると。例えば、いまウワサになっている中東へ移籍したとしても、ACLの決勝で来日なんてことがあるかもよ、なんて…。
だから、現役を長く続けてくれているレジェンドには大いに感謝。だって、プレーを見られるチャンスをぎりぎりまで残してくれているのだから。
(*)…試合の3日後の6月10日に37歳の誕生日を迎えた。
関連記事:
・イニエスタは見れず、でもACL観戦でちょっと得した話(上)