イニエスタは見れず、でもACL観戦でちょっと得した話(上)
今年8月、さいたま市内で開催されたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を観戦した。そのときにちょっと得したことがあったので、話したい―。
サッカーを生観戦するとき、私の場合、昔から特定の選手を見るために足を運ぶことが多い。
大学時代はレオナルドのプレーが見たくて、鹿島スタジアムへ。しかも、狙って対戦相手が名古屋グランパスのカードのときに合わせ、ストイコビッチもその目に焼き付けた。
ほかにも、ホン・ミョンボ(洪明甫)がどうしても見たくてベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)のアウエーゲームを日立柏サッカー場へ見に行った思い出もある(当時、チームメイトだった中田ヒデのプレーも見れた!)。そういえば、鹿島スタジアムにはジーニョ(横浜フリューゲルス)を見るためにも行ったなあ…。
そしていま、とにかく見たいのがイニエスタ。イニエスタが来日して4年余り。これまで何度も機会はあったのだが、いまだにそのプレーを生で見ていない…。
最近、個人的に少々焦っている。というのは、今季のイニエスタは徐々にプレー時間が減っていて、スタメンから外れることも増えてきた。「今季限りで引退してしまうんじゃないか…」と心配している。数ヶ月だけFCバルセロナに復帰して引退というパターンもあるかもしれない(現監督のシャビならやりかねない)。
そんなことを考えていた今年7月。なんと、ACLの決勝トーナメントが8月にさいたま市内で開催されることが発表された。
チャンス到来! イニエスタを見られる機会がやってきたのだ!!
ヴィッセル神戸は決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)で、横浜FMと対戦することになった。私はこのとき、イニエスタの出場は間違いないと確信していた。
なぜかというと、2020年のACLでヴィッセル神戸がベスト4で敗れたとき、直前の試合で大怪我を負って出場できなかったイニエスタは大きな責任を感じていたからだ。
選手生命を脅かす大怪我に引退すら頭をよぎったというイニエスタだったが、クラブのACL制覇のために復帰を誓った。そして、辛いリハビリ生活にも耐えた。
そうしたイニエスタの覚悟を伝えるドキュメンタリー『イニエスタの決断 ~知られざる142日~』(NHK)を見たこともあり、イニエスタはラウンド16に必ず出場すると信じて疑わなかったのだ。
◇
そして、チケット販売当日。午前10時の開始すぐに私は迷わずバックスタンドの前から2列目の好座席をゲットした。やや割高だが、そんなことは言ってられない。
だが、その後まさかの事態が訪れる。その日の夕方のことだ。信じられないメールがJリーグから届いた。なんでも枚数限定の先着順で、神戸ー横浜戦のチケット代を半額にする割引クーポンを配布するという。
はあ?? どいうこと??? 一瞬、固まった。そして、冷静に考え、当然ながらこうなった。
ふざけんなよーーーーーー!
平日のナイトゲームだからか? それとも、予想に反してチケットの売れ行きが悪かったのか? 理由はわからないが、とにかく怒り心頭のマックス状態だ!!
私は午前中に購入したチケットをキャンセルできないものかとすぐに調べたが、無理だった。いまごろ、ウヒヒヒと半額でチケットを買っている人がいると思うと、とてもやるせない気持ちになった。
もう、この悔しさは忘れるしかない。気持ちを切りかえるしかなかった…。
イニエスタは見れず、でもACL観戦でちょっと得した話(下)へ続く