Jリーガー支える妻、山瀬功治夫人の視点から知るプロサッカー選手の日常
気になる選手のコンディションづくりが分かる著書『アス飯レシピ』
プロサッカー選手の日常は気になる。クラブの練習以外で、どんなことを考え、どんなことに取り組みながら、試合に向けたコンディションづくりに励んでいるのか。選手それぞれ、こだわりやルーティーンもあるだろう。でも、なかなか知る機会は少ない。
そんな選手の日常を知ることができるお勧めの本がある。料理研究家・山瀬理恵子さんの著書『アス飯レシピ ~アスリートの体をつくる、おうちごはん~』である。
著者は、元日本代表で現在はJリーグ・愛媛FCでプレーするMF山瀬功治選手の妻。同郷のサッカー選手はやはり応援したくなるものだが、理恵子さんもまた道産子。なので、2人セットで応援している。
山瀬選手は地元札幌の高校を卒業後、コンサドーレ札幌でプロ生活をスタートさせた。そして当時の監督だった、あの岡田武史氏に才能を見いだされた。浦和レッズ、横浜Fマリノス、川崎フロンターレなど、これまでに7つのクラブを渡り歩いている。今年9月で40歳になる大ベテランだが、現在Jリーグで21年連続ゴール中。彼を必要とするクラブが途絶えないことがその実力を証明している。
これほど長くプロで活躍できるのは、妻の理恵子さんの存在が大きい。食事からメンタル面のケアまで、山瀬選手のコンディションづくりを献身的にサポートしている。プロスポーツ選手の妻なら当たり前だと思われるが、その度合いがちょっと並外れている。
そんな彼女のことを知ったのはほんの最近のことだ。あるきっかけがなければ、いまだに知らなかったかもしれない。
プロ21年目の山瀬選手が長く活躍できる理由
3年ほど前、私は、サッカーの試合中に右膝内側側副靭帯断裂という大怪我を負った。
これまで足首の怪我は何度も経験があったが、サッカー選手にとって致命傷とも言われる膝の怪我は初めてだった。しかも、40歳を過ぎてのことだ。精神的にもなかなかこたえた。怪我をした直後は「もうこのまま、一生膝が曲がらないんじゃないか…」と本気で思ったぐらいだ。
「でも、まだサッカーがやりたい…」。サッカーバカはなんせ往生際が悪い…(笑)。
復帰に向けて頭が切りかわると、「膝 靭帯 損傷」のキーワード検索を軸にとにかく情報を集めまくった。有効なリハビリ方法、完治までの段階や日数、膝に効くサプリメント、靭帯回復に効く食事など。とくに、まったく同じ状況で、同じ怪我をした人の経過報告ブロクには気持ちが癒やされたし、勇気をもらった。
そんなときに、検索に引っかかり見つけたのが山瀬理恵子さんのブログだった。
山瀬選手が過去に2度、膝の前十字靭帯断裂という大怪我に見舞われ、選手生命を脅かされたことはもちろん以前から知っていた。
ブログには、その2度目の膝の靭帯断裂をした直後の山瀬選手の様子、手術後の様子、復帰に向けたリハビリの様子などがつづられていた。妻として夫を全力でサポートしたい、やれることはすべてやりたいと、理恵子さんは無我夢中で医学書や栄養学書を読みあさり、怪我の回復を促す「リハビリ食」を学んだという。
だから、山瀬選手は料理研究家だった理恵子さんと結婚したわけではない。彼の2度の大怪我をきっかけに、妻がスポーツ栄養学のスペシャリストになってしまったわけだ。