日本サッカー

ボール使用は小5から!? ヘディング「脳に悪影響」でJFAが指導方針を発表

 だが、サッカーを始める年齢は人それぞれだろう。スクールや少年団の開始年齢だって異なる。

 私の場合、小学校4年生の終わり頃に始めた。ガイドラインに沿えば基本的な技術の習得はある程度終わっている段階だ。こうなると、カリキュラムの調整は指導者に委ねるしかない。クラブの状況、子どもたちのレベルに合わせた練習方法を考える必要があるだろう。

少ない練習頻度でヘディング技術は高められるのか?

サッカー日本代表の岡崎慎司選手
小中学生時代のヘディング練習がサッカースタイルの原点になった岡崎慎司選手(source: the-afc.com

 ガイドラインには「元日本代表選手のインタビューコメント」を掲載。上達のコツやあるべき指導法、ヘディングによる怪我の経験などが匿名で記されている。

 その中に「ヘディングは練習すれば必ずうまくなる」というコメントがあった。まったく同感だ。

 小学5年生のころ、当時サイドバックだった私はハイボールのヘディング処理が苦手でコーチにしごかれた経験がある。ボールの落下地点が予測できず、背後に落ちてしまう。「できないなら、何度も練習するしかないんだよ!」。コーチはげきを飛ばし、繰り返しハイボールを蹴った。

 すると、何日もしごかれるうちに徐々にコツをつかんだ。感覚として身についたのか、ボールが高く上がった瞬間に落下地点がすぐにわかるようになった。そして特訓のおかげで、チームの誰よりもヘディングが得意になった。

 日本代表で通算50得点をあげている岡崎慎司選手(スペイン1部ウエスカ所属)の座右の銘は「一生、ダイビングヘッド」。小中学生のころ、長いときは1時間、ひたすらヘディングシュートの練習を繰り返したという。コーチの徹底指導で長所をのばし、サッカースタイルの原点になった。

 ヘディングは練習しだいで必ずうまくなる。得意になればそれが強みになり、選手としての特徴にもなる。そう考えると、週に1度の数10回程度の少ない練習頻度では足りない気もする。岡崎選手のように突出した技術にまで高められるだろうか。

 近年、日本人のサッカー技術は格段に向上した。一方で「似たような選手が増えた」との声もある。健康を守る観点でガイドラインは大切だが、日本サッカー全体のヘディング技術の低下、均一化は避けたいところだ。

 軽量化ボールでかまわないので、頻度はもう少し多く。そして低年齢から実践的な練習もやった方がいい、というのが個人的な意見だ。

(了)

by 北 コウタ
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