あの国見高校サッカー部が伝統の「丸刈り」を廃止。名門復活へ再始動
伝統を重んじる精神は日本人の良き国民性だと感じる。「先人の教えや苦労があってこそいまがある。だから積み上げられたものを崩したくない」、みたいな考えである。しかし、習慣化された伝統はときに固定観念を生み、思考停止の原因になることもある。
「長髪の国見は、国見じゃない!」、みたいな固定観念がもしもあったとしたら、木藤監督はそこを見つめ直したかったのかもしれない。“新しい「国見」”をつくる時代に入っているんだと感じて。
メディアの取材に対し木藤監督は、「多様性が求められる時代。大事なのは容姿よりも中身」と話したという。
「伝統の粘り強さは残す」。九州新人大会で14年ぶりV
2月、国見高校は九州高校サッカー新人大会で14年ぶりに優勝し、名門復活の兆しをみせた。また、今春卒業の中島大嘉は、同校13年ぶりとなる高卒Jリーガー(北海道コンサドーレ札幌に入団)となった。吉報が続いている。
変化を求めながら新チームを始動させた木藤監督だが、「粘り強さ」や「勝負への執着心」といった国見伝統の強さは残すと話している。
今年、節目の第100回大会を迎える高校サッカー選手権。もしも国見高校が10数年ぶりに全国出場を決めた場合、試合にどれだけの元JリーガーらOBが駆けつけるだろうか。と、想像してしまった。
(了)
by 北 コウタ