ビッグネーム獲得に期待! WEリーグの「外国人選手補助金制度」とは?
もしも彼女が来たら、強豪国の他の選手もきっとWEリーグに関心を寄せるだろう。イニエスタ選手のような波及効果が期待できるかもしれない。ラピノー選手は今年7月で36歳。キャリアの晩年期に差し掛かっている。東京五輪後の「電撃移籍」なんてことはないだろうか…。
WEリーグは最も報酬の高い「プロA契約選手」の年俸を460万円以上と定めている。各クラブはそれに補助金の320万円を上乗せすることで、「クラブの顔」にもなれる実力のある外国人選手を獲得したいところだ。(当面はプロ・アマ混在の「WEリーグ」。選手の契約事情や報酬体系は?に関連記事)
WEリーグPRも視野に「ASEAN地域」限定の支援制度も
一方、WEリーグは同時に「ASEAN女子選手受け入れ支援制度」も設けている。アジア全体の女子サッカーの底上げやASEAN地域へのWEリーグのPRなどが目的だ。
こちらは対象選手1名につき上限300万円が支給されるが、以下の条件①~③のすべてを満たす選手でなければならない。
〈ASEAN女子選手受け入れ支援制度〉 ①ASEAN加盟国の国籍を有しており、クラブと統一プロ契約もしくは非統一プロ契約(ただし、年俸270万円以上)を締結し、WEリーグ登録が完了した女子選手であること <ASEAN加盟国>
③海外での生活(異文化)に適応できること |
補助金の対象となる契約期間は2021年7月1日から2022年6月30日まで。また、補助金より対象選手の報酬が低い場合は、選手にかかる経費に充当できる。
近年、東南アジア諸国と日本人サッカー指導者の結びつきは強まっている。元日本代表監督の西野朗氏が現在サッカ―男子タイ代表監督を務めていることは知られている。
そのタイサッカー協会は今年1月、女子のフル代表とU-20代表の兼任監督として元Uー20日本女子代表コーチの岡本三代氏の就任を発表、4月に着任している。岡本氏は日本サッカー協会とタイサッカー協会とのパートナーシップ協定の一環で派遣されたという。
タイ女子代表は、2018年のアジアカップで日本、オーストラリア、中国に次ぐ4位となり、FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会に出場している。WEリーグでタイ人選手がプレーする日はそう遠くないかもしれない。
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コロナ禍の影響もあり、外国人選手の獲得準備は困難な状況が予想される。アメリカでは5月25日に日本への「渡航中止の勧告」が発表されたばかりだ。だが、まだ3ヶ月以上ある。ジーコやリトバルスキーといったJリーグ開幕を盛り上げたような、魅力ある外国人選手はWEリーグに来るのか? 各クラブの発表を期待して待ちたい。
(了)