「なでしこ海外組」がいつの間にか増えとる~。7月のW杯前におさらい!
今年7月に開幕するFIFA女子サッカーワールドカップ(W杯)。大会前、最後となる欧州遠征(4/8・対ポルトガル、4/12・対デンマーク)のメンバー25人が、3月29日に発表された。本大会の登録人数は23人。この中から選ばれることになる。
その遠征メンバーを見ると、知らぬ間に海外組が増えている。けっこう増えとる~。
WEリーグ選手の海外移籍が、昨年から相次いでいるなあとは思っていたが、誰が、どこの国の、どのクラブに所属しているのか。ちゃんと把握できていない人、けっこういるんじゃないの?
という私も、実はよく整理できていなかった…。とくに最近の若手!
それならば、「W杯前におさらいしとこーか!」てなわけで、ざっくりだけど調べてみた。
大会前の最後の欧州遠征メンバー 25人のうち海外組は11人
まず、欧州遠征メンバーに選ばれたなでしこジャパン25人の顔ぶれは次のとおり。そのうち、海外組は11人だ。
〈GK〉
山下 杏也加(INAC神戸レオネッサ)
平尾 知佳(アルビレックス新潟レディース)
田中 桃子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
〈DF〉
熊谷 紗希(FCバイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
三宅 史織(INAC神戸レオネッサ)
乗松 瑠華(大宮アルディージャVENTUS)
清水 梨紗(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)
清家 貴子(三菱重工浦和レッズレディース)
守屋 都弥(INAC神戸レオネッサ)
南 萌華(ASローマ/イタリア)
宝田 沙織(リンシェーピングFC/スウェーデン)
石川 璃音(三菱重工浦和レッズレディース)
〈MF〉
猶本 光(三菱重工浦和レッズレディース)
長谷川 唯(マンチェスター・シティ/イングランド)
杉田 妃和(ポートランド・ソーンズFC/アメリカ)
林 穂之香(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)
長野 風花(リバプールFC/イングランド)
宮澤 ひなた(マイナビ仙台レディース)
遠藤 純(エンジェル・シティFC/アメリカ)
藤野 あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
〈FW〉
岩渕 真奈(トッテナム・ホットスパーFC/イングランド)
田中 美南(INAC神戸レオネッサ)
小林 里歌子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
植木 理子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
浜野 まいか(ハンマルビーIF/スウェーデン)
WEリーガーの価値を高めた 海外で違いを見せる長谷川唯
次に、海外組の経歴を少し詳しく。おまけとして、かつて海外組だった選手(猶本、田中/*)も加えてみた。つまり、「海外経験のある選手」をまとめた。(カッコ内は2023年4月6日時点の年齢)
〈GK〉
該当者なし
〈DF〉
■熊谷 紗希(32)
浦和レッズレディース → 1.FFCフランクフルト(ドイツ/2011年7月~) → オリンピック・リヨン(フランス/2013年6月~) → バイエルン・ミュンヘン(ドイツ/2021年5月~)
■清水 梨紗(26)
日テレ・東京ヴェルディベレーザ → ウェストハム・ユナイテッド(イングランド/2022年8月~)
■南 萌華(24)
三菱重工浦和レッズレディース → ASローマ(イタリア/2022年7月~)
■宝田 沙織(23)
セレッソ大阪堺レディース → ワシントン・スピリット(アメリカ/2021年1月~) → リンシェーピングFC(スウェーデン/2022年1月~)
〈MF〉
■猶本 光(29)*
浦和レッズレディース → SCフライブルク(ドイツ/2018年6月~) → 三菱重工浦和レッズレディース(2020年1月~)
■長谷川 唯(26)
日テレ・東京ヴェルディベレーザ → ACミラン(イタリア/2021年1月~) → ウェストハム・ユナイテッドFC(イングランド/2021年8月~) → マンチェスター・シティ(イングランド/2022年9月~)
■杉田 妃和(26)
INAC神戸レオネッサ → ポートランド・ソーンズFC(アメリカ/2022年1月~)
■林 穂之香(24)
セレッソ大阪堺レディース → AIKフットボール(スウェーデン/2020年12月~) → ウェストハム・ユナイテッド(イングランド/2022年9月~)
■長野 風花(24)
浦和レッズレディース → 仁川現代製鉄(韓国/2018年3月~) → ちふれASエルフェン埼玉(2019年1月~) → マイナビ仙台レディース(2021年1月~) → ノースカロライナ・カレッジ(アメリカ/2022年7月~) → リバプール(イングランド/2023年1月~)
■遠藤 純(22)
日テレ・東京ヴェルディベレーザ → エンジェル・シティFC(アメリカ/2021年11月~)
〈FW〉
■岩渕 真奈(30)
日テレ・ベレーザ → ホッフェンハイム(ドイツ/2012年11月~) → バイエルン・ミュンヘン(ドイツ/2014年5月~) → INAC神戸レオネッサ(2017年6月~) → アストン・ヴィラ(イングランド/2020年12月~) → アーセナル(イングランド/2021年5月~) → トッテナム・ホットスパー(イングランド/2023年1月~)
■田中 美南(28)*
INAC神戸レオネッサ → バイエル・レバークーゼン(ドイツ/2021年2月~6月末までレンタル移籍) → INAC神戸レオネッサ
■浜野 まいか(18)
INAC神戸レオネッサ → チェルシー(イングランド/2023年1月~) → ハンマルビーIF(スウェーデン/2023年1月~レンタル移籍中)
◇
こうして移籍の時期をみると、代表歴の長いベテラン以外の海外移籍は、2021年ごろから活発になっているようだ。
私見だが、その要因の一つには、2021年1月にイタリアへ渡り、その後移籍したイングランドを含め、3つのクラブで違いを見せ続けている長谷川唯の存在があると考える。
彼女の活躍がWEリーグ選手の価値を高め、海外クラブが獲得に動くきっかけになったのではないだろうか。
7月開幕の女子W杯の成績によっては、WEリーガーの海外移籍がより加速する可能性もあるだろう。
2011年以来の世界王座奪還へ。膨らむ期待は大きい!
(了)